関節リウマチとは
関節リウマチは、本来体を守る免疫システムが誤作動を起こし、健康な関節組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
主に手足の関節に炎症が起こり、痛み、腫れ、こわばりなどの症状が現れます。進行すると関節の破壊が進み、日常生活に支障をきたすだけでなく、全身の機能にも影響を及ぼす可能性があります。
男女差と発症年齢
関節リウマチは女性に多く、発症率は男性の約3倍と言われています。
発症年齢は30歳代後半から40歳代前半にピークを迎えますが、10代から80代まで幅広い年齢層で発症します。
関節リウマチの原因
遺伝的な要因と、環境的な要因が合わさりあって発症に至ると考えられています。
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関節リウマチの初期症状
関節リウマチの初期症状は、人によって様々ですが、以下のようなものが挙げられます。
- 朝の関節のこわばり: 特に起床時に30分以上続くこわばりが特徴です。
- 関節の痛み: 左右対称に起こることが多く、安静にしていても痛みを感じる場合があります。
- 関節の腫れ: 指や手首、足首などの関節が腫れ、熱っぽくなることがあります。
- 発熱: 低熱が続くことがあります。
- 疲労感: 慢性的な疲労感を感じることがあります。
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関節リウマチの診断
関節リウマチは早期の段階で治療を開始することで、進行を最小限に食い止めることができますので、早期発見が重要になります。
チェックリストで気になる症状があれば、早めにリウマチ科を受診することをお勧めします。問診で症状や病歴について詳しくお聞きし、関節の動きや腫れなどをチェックします。さらに、血液検査で自己抗体や炎症反応などを調べ、超音波検査(エコー)やレントゲンのほか、必要に応じてMRI検査を行って総合的に診断することになります。
日本リウマチ学会専門医として、的確な診断と早期発見・早期治療に努めておりますのでご相談ください。
関節リウマチの治療法
関節リウマチの治療は、昔の痛みを止めるだけの治療から、進行をくい止め、寛解を目指す治療へと大きく進歩してきました。
関節リウマチの治療法には、大きく分けて薬物療法、リハビリテーション、手術療法の3つがあります。
- 抗リウマチ薬
- 免疫異常・炎症の改善及び抑制する薬です。軟骨・骨破壊の進行を遅延させます。
- 生物学的製剤
- 従来の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合などに用いられます。
炎症抑制、軟骨・骨破壊の進行を抑制する効果があります。
また、上記の補助として、非ステロイド性抗炎症薬やステロイド薬を痛みや炎症の軽減に使用することがあります。
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関節リウマチのリハビリテーション
薬物療法と並んで重要となるのが、リハビリテーションです。早期のリウマチに対して積極的にリハビリテーションを行うと、筋力の低下や関節の拘縮を防げる可能性が高いことが分かってきています。
運動療法や物理療法を行い、筋力や関節の可動域を改善し、日常生活動作(ADL)の自立をサポートするとともに、痛みを和らげていきます。
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手術療法
薬物療法やリハビリテーションで効果が得られない場合や、関節の破壊が進行して日常生活に支障をきたしている場合には、人工関節置換術などの手術療法が検討されます。
薬物療法の進歩に伴い、手術が必要なケースは以前より少なくはなってきていますが、手術が必要な場合は、適切な専門医療機関へご紹介させていただきますのでご安心ください。
関節リウマチは早期発見、早期治療が重要です。
初期症状に気づいたら、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることで、
関節破壊の進行を抑制し、日常生活の質を維持することができます。