骨粗鬆症はどんな病気?

骨粗鬆症という病名は広く知られていますが、「自分にはまだ関係ない」と考えておられる方は少なくありません。当院でも、別の症状で来院された際に骨密度検査を受けて、初めて骨粗鬆症が判明する方が多くおられます。
骨粗鬆症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる疾患です。痛みなどの自覚症状がほとんどないまま進行するため、骨折をきっかけに発見されるケースが後を絶ちません。骨粗鬆症を取り巻くこうした状況から、堺市堺区の三国ヶ丘まんだい整形外科では、開院当初から骨粗鬆症の早期発見と啓蒙に力を入れています。
骨の中で起きていること
骨は一見変化のない組織に思われがちですが、実際には常に新陳代謝を繰り返しています。古くなった骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨をつくる「骨形成」がバランスよく行われることで、骨の強度は保たれているのです。これを「骨のリモデリング」と言います。
吸収と形成のバランスが乱れると
加齢やホルモンバランスの変化によって骨吸収が骨形成を上回るようになると、骨の内部を支える構造(骨梁)が細くなったり失われたりして、骨全体がもろくなっていきます。骨粗鬆症の診断では骨密度の測定が基本ですが、骨の微細構造(骨質)の劣化も骨折リスクに関わることがわかっています。
原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症
骨粗鬆症は原因によって大きく二つに分類されます。
原発性骨粗鬆症
特定の原因疾患がなく、主に加齢やホルモンの変化によって生じるタイプで、骨粗鬆症の大多数を占めます。中でも閉経後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により骨密度が大きく低下するため、発症のリスクが高まります。また、男女を問わず年齢を重ねることで骨をつくる能力やカルシウムの吸収効率が低下して、骨がもろくなっていきます。
続発性骨粗鬆症
特定の疾患や薬剤が原因で二次的に起こるタイプです。ステロイド薬の長期使用(ステロイド性骨粗鬆症)が代表的で、関節リウマチや糖尿病、甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病なども原因となります。
原因疾患の的確な鑑別
当院の院長はリウマチ専門医でもあり、リウマチの合併症として起こる骨粗鬆症についても深い知見を持っています。原因となる疾患の治療と並行して、骨粗鬆症への対処を進めることが大切です。
骨粗鬆症が引き起こす骨折
骨粗鬆症で特に注意が必要なのは、以下の四つの部位の骨折です。
脊椎圧迫骨折(背骨)
背骨は本来、非常に丈夫で、そう簡単に損傷することはありません。しかし、骨粗鬆症で骨がもろくなると、くしゃみや物を持ち上げるといった軽い動作でも椎体(背骨を構成する一つひとつの骨)が潰れてしまいます。複数箇所で椎体が潰れると、身長の低下や背中の丸みにもつながります。痛みを伴わない「いつの間にか骨折」も多いため、特に注意が必要です。
大腿骨近位部骨折(太ももの付け根)
転倒をきっかけに起こることが多く、ほとんどの場合で手術が必要になります。寝たきりにつながるリスクが高い骨折として知られており、ご高齢の方では生命予後にも影響を及ぼすことがあります。
橈骨遠位端骨折(手首)
転倒した際にとっさに手をついた衝撃で起こりやすい骨折です。比較的若い年代(60代前後)でも起こることがあり、骨粗鬆症に気づくきっかけとなる場合があります。
上腕骨近位部骨折(肩の付近)
転倒して肩を強くぶつけた際に起こる骨折です。腕を動かすと強い痛みが出るため、日常生活の動作に大きな支障をきたします。ご高齢の方では転倒時に手をつけずに肩から倒れることで発生するケースが多く見られます。
骨折の連鎖について
一度骨折すると、体のバランスの変化や活動量の低下によって次の骨折が起こりやすくなります。特に脊椎では隣接する椎体へ骨折が連鎖する「ドミノ骨折」と呼ばれる現象が知られています。この連鎖を断ち切るためにも、最初の骨折を起こさないことが重要です。
骨粗鬆症の現状
日本における骨粗鬆症の患者数は、推計で約1,600万人とされていますが、そのうち適切な治療を受けている方は一部にとどまっています。
当院でも開院以来、骨粗鬆症の啓蒙活動に取り組んでいますが、「まさか自分が」と思っておられた方が検査で骨密度の低下を指摘されるケースは珍しくありません。一方で、検査を受けた患者様がご家族やお知り合いに声をかけてくださることで、受診の輪が少しずつ広がっています。
常に予防の意識を持っていただくことが、骨粗鬆症による影響を防ぐための鍵となります。
骨折する前にまず検査を
骨粗鬆症は自覚症状がないからこそ、ご自身の骨の状態を知ることが予防の第一歩です。当院ではDXA法による精密な骨密度測定に対応しており、検査から診断、治療まで一貫して対応しています。骨密度が気になる方、ご家族に骨粗鬆症の方がおられる方は、症状がなくても一度検査を受けられることをおすすめします。